働き方改革

経理の残業をどう減らす?中小企業のための経理の残業削減ガイド

月末の夜、オフィスで最後まで灯りが消えないのは経理部門。毎月同じ光景が続いていませんか?

経理担当者の慢性的な残業は、「忙しいから仕方ない」で片付けてよい問題ではありません。中小企業では一人経理や少人数体制が多く、月末・決算期は連日深夜残業が当たり前になっていることも珍しくありません。

  • 月末になると経理だけ毎日22時、23時まで残業している
  • 一人経理で休めない・辞められないリスクを抱えている
  • 決算期は月100時間を超える残業が発生している
  • 残業代が経営を圧迫しているが、どこから手をつければいいか分からない
  • ノー残業デーを導入したが、経理だけ帰れない状況が続いている
迷える子羊
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経理の月末月初の業務量が膨大で困っています・・・

Ueda
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そのお悩み、この記事で解決します!

経理の残業は「見える化 → 体制改善 → DX・RPA・AI」で減らす

経理の残業は「忙しいから仕方ない」ものではなく、順番を踏めば30〜50%の削減は現実的です。

経理残業削減は、次の3ステップで進めるのがおススメです。

01

業務と残業の見える化

どの業務に何時間かかっているか、いつ残業が集中しているかを把握します。業務棚卸しと繁忙カレンダーで現状を可視化することが出発点です。

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02

ルール・体制の改善

現場からの書類提出期限の徹底、マニュアル整備、複数担当制など、お金をかけずに運用を見直し「ムダな残業」を削ります。一人経理の属人化リスクを下げることも含まれます。

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03

DX・RPA・AIによる自動化

請求書処理、経費精算、入金消込など定型業務を自動化し、残業の根本原因を潰します。小さく始めて効果を確認しながら広げるのがポイントです。

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本記事では、この3ステップを詳しく解説していきます。
まずは、なぜ経理の残業がここまで問題になるのか、その実態を見ていきましょう。

まずは実態把握|経理の実態と残業が増える構造

経理の平均残業時間と「繁忙期・閑散期」のリアル

経理職の平均残業時間は月20時間程度とされ、全職種平均とほぼ同水準です。

ただし、この数字にはカラクリがあります。経理は月末・月初や決算期に業務が極端に集中するため、平常月は残業が少なくても、繁忙月は一気に跳ね上がります

中には月100時間超の長時間残業が発生するケースもあり、特に決算期の負荷の大きさが浮き彫りになります。

平常月と繁忙月の落差が大きいことが、経理特有の働き方と言えます。

月末月初・決算・年末調整…経理の残業が増える時期

経理の残業の山をつくる主なイベントは次の通りです。

毎月の繁忙期

月末〜月初に請求書処理・月次締め・支払処理が集中します。営業からの売上報告や経費精算の提出が遅れると、さらに後ろ倒しになります。

四半期ごとの繁忙期

3月・6月・9月・12月の四半期末には、決算処理が加わります。上場企業や親会社への報告期限がある場合、時間的余裕はほとんどありません。

年次の繁忙期

年度末から新年度(3〜5月)にかけては、年次決算・税務申告・監査対応が重なります。同時期に年末調整の準備も始まり、経理担当者にとって最も過酷な時期になります。

月中では「残業の日が続く」人は8.8%ですが、月末・月初では約6割が残業しているとのデータもあります。期末・月末に業務が偏ることで、残業が常態化する構造が経理現場で顕著になっています。

Ueda
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次に経理の残業が減らない理由を深掘りします。

経理の残業が減らない4つの理由

理由① 人手不足+兼務体制で、一人あたりの経理負荷が高すぎる

中小企業の経理部門は、1〜2名+総務・人事兼務という体制が珍しくなく、繁忙期には物理的に仕事がさばききれなくなります。

一方で「経理は売上を生まない部門」と見られやすく、人件費増に慎重な経営者も多い状況です。その結果、特定の担当者に業務が集中し、ミスや遅延が起きやすくなり、残業が常態化していきます。

理由② 前倒ししにくい経理業務が多く、月末に仕事が一気に押し寄せる

月次決算・給与計算・支払処理など、多くの経理業務は「締日」や「法定期限」が動かせず、前倒ししづらい構造です。月が締まらないと始められない仕事も多く、スケジュールの自由度は高くありません。さらに、売上報告や経費精算、稟議など他部署からの書類提出が遅れると、そのツケを経理の残業で吸収するしかなくなります。

時間のコントロールが効かないことが、経理残業をより過酷にしています。

理由③ 属人化で「あの人しかできない経理業務」が残業を生む

決算・税務処理・給与計算などのノウハウが特定の人の頭の中にしかない「属人化」は、経理でよく起こります。専門知識が必要なうえ、マニュアル化や標準化が後回しになりやすいからです。

属人化した業務は、担当者が休めない・抜けられない原因になります。残業が増えるだけでなく、「忙しいのに評価されない」「辞めたくても辞められない」といった不満や離職リスクにもつながります。

理由④ 紙・Excel・会計ソフトが混在し、経理DXが進まない

紙やPDFの請求書を目で確認して会計ソフトに手入力する、Excel集計結果を別のExcelにコピー&ペーストする、といった「人が橋渡しする作業」が残っていると、それだけで時間と集中力を奪われます。

さらに、紙・Excel・会計ソフト・クラウドサービスがバラバラに存在し、システム連携や自動化が進んでいないケースも多いです。Sansan株式会社の調査によると、約7割の企業が請求書の適格要件チェックを目視で行っており、確認ミスと作業時間増大を招いています。

こうした非効率が、経理の残業の温床になっています。

迷える子羊
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経理の現場は本当に過酷ですね…

Ueda
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残業が集中した時も、残業上限ルールを超えないように注意しましょう

経理の残業を放置するリスク4選

経理の残業を放置することは、経営上の大きなリスクとなり得ます。

リスク① モチベーション・生産性の低下

長時間残業が続くと、経理担当者の心身に負荷が蓄積し、モチベーションと生産性は確実に下がります。「忙しいのに評価されない」「残業が多いのに待遇が見合わない」といった不満が溜まる職場では、離職率も上がりやすくなります。

経理担当者に突然退職されれば、請求処理や資金管理が滞り、経理業務が麻痺するリスクもあります。

リスク② 残業代・人件費の増加

残業が増えれば、割増賃金を含む人件費がかさみます。2023年4月から中小企業にも月60時間超の残業に対する50%の割増率が適用されており、長時間労働はコスト面での負担増を意味します。

本来は事業投資や人材採用に回せる資金が残業代に消えていく構造は、会社の成長機会を削っています。

リスク③ ミス・不正の増加で数字の信頼性が低下

疲労と時間的な追い込みはヒューマンエラーを増やします。

経理のミスは、決算遅延による信用低下、税務申告ミスによる追徴課税、二重払いによるキャッシュフロー悪化など、経営に直結します。長時間労働下では内部統制が緩みやすく、不正が生まれやすくなるリスクもあります。

リスク④ 退職・休職で「一人経理」崩壊リスク

経理担当者が突然退職・休職した場合、誰も業務を引き継げない可能性があります。請求書の処理方法、取引先との支払サイト、決算の進め方などがすべて属人化していれば、事業そのものが止まりかねません

代替要員を採用しても、業務を覚えるまでに時間がかかり、その間は経営判断に必要な数字が出せないリスクもあります。一人経理の崩壊は、事業継続に直結する経営リスクです。

迷える子羊
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放置すると大変なことになりますね。でもどうすれば改善できますか?

Ueda
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次章から、具体的な削減ステップに入ります。まずは「見える化」から始めましょう。

STEP1|経理の残業削減は「見える化」から – 業務棚卸しと繁忙カレンダー

業務棚卸しで「誰が・何に・何時間」かかっているか洗い出す

残業を減らす第一歩は、現状把握です。「なんだか忙しい」を脱却し、データで実態を可視化しましょう。

業務棚卸しでは、次の項目を整理し「どの業務に時間がかかっているか」「誰に業務が偏っているか」を確認します。

  • 業務名(請求書処理、経費精算、入金消込、月次決算、給与計算など)
  • 担当者(誰が主担当か、バックアップはいるか)
  • 頻度(毎日、毎週、毎月、四半期、年次)
  • 工数(1回あたり何時間かかるか)
  • 締切(いつまでに完了させる必要があるか)
Ueda
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洗い出しの際は、経理担当者本人へのヒアリングが欠かせません。
経営側が思っている以上に、細かい作業や問い合わせ対応に時間を取られているケースが多いからです。

業務全体像を把握しておけば、後続の改善・自動化検討に使えるデータにもなります。

月次・年次の「経理繁忙カレンダー」で残業が集中する日を見える化

業務棚卸しと並行して、年間の繁忙スケジュールをカレンダー形式で可視化しましょう。

たとえば、月末月初(請求書処理、月次締め)、四半期末(決算処理)、年度末〜新年度(年次決算、税務申告)、年末調整などのイベントをカレンダーに落とし込みます。

繁忙カレンダーを作ると、「毎月25日〜翌5日は必ず残業」「3月と5月が特に過酷」といったパターンが見えてきます。パターンが分かれば、事前に対策を打てます。

経理残業の原因と業務を紐付ける簡易診断シート

残業が多かった日の業務内容とトラブル要因を記録する習慣をつけましょう。主に次の項目を記録します。

  • 日付
  • 残業時間
  • 主な業務内容(何に時間がかかったか)
  • トラブル・遅延要因(営業からの提出遅れ、システムトラブル、急な依頼など)
  • 改善アイデア(あれば)

例:「3月25日、残業4時間、請求書処理、営業Aさんの売上報告が夕方提出で入力が間に合わず」など。

1ヶ月分のデータが溜まれば、「営業部の提出遅れが月5回」「システムが重くて毎回30分ロス」といった具体的な改善ポイントが浮かび上がります。

この記録が、STEP2での運用改善やSTEP3での自動化検討の材料になります。

Ueda
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次章では、お金をかけずにできる運用・ルール改善で「ムダな残業」を減らす方法を解説します。

STEP2|運用・ルール改善で「経理のムダ残業」を減らす

経費精算・請求書の提出ルールを整え、締切前集中を防ぐ

経理残業の大きな原因が、他部署からの書類提出の遅れです。これを防ぐには、明確なルール設定と社内周知が必要です。

提出期限の明確化

まず提出期限を具体的に決めます。「月末までに」ではなく「毎月25日17時まで」といった形です。曖昧な期限は守られません。

フォーマットの統一

経費精算なら「領収書添付必須」「用途記載必須」など、必要項目を明記したテンプレートを用意します。フォーマットがバラバラだと、経理が整える手間が増えます。

承認フローの整理

承認ルートが複雑だと意思決定が遅れます。本当に必要な承認者だけに絞りましょう。

丁寧な社内周知

そして何より、営業・現場の協力を引き出すコミュニケーションが重要です。「なぜこの期限が必要か」「遅れると経理がどれだけ困るか」を説明し、理解を得ます。

ノー残業デーより先に「経理が残業しない日」を設計する

全社一律のノー残業デーを設定しても、月末月初と重なれば経理は業務が山積みで帰れません。

そこで、「経理視点で絶対に残業しない日」を先に決めましょう。たとえば、毎月15日前後の比較的落ち着いている日をノー残業デーにする。逆に月末月初は対象外にし、現実的な運用にすることで、形骸化を防ぎます。

マニュアル+社内FAQチャットボットで「質問とやり直し」を減らす

「ミス・やり直し」も残業の大きな要因です。これを防ぐには、マニュアルとチェックリストの整備が有効です。
最低限整備したい項目は次の通りです。

  • 月次決算の手順書(作業の順番)
  • 請求書発行のチェックリスト(金額、宛名、締日の確認項目)
  • 経費精算の承認ルール(いくらまで誰が承認するか)
  • 仕訳入力の科目ルール(交通費はどの科目か等)
  • よくある質問と回答集(社内FAQ)

マニュアルがあれば、担当者が変わっても同じ品質で業務を回せます。新人や応援要員への教育時間も減ります。

マニュアルはあるけど探せない・読まれない

「マニュアルはあるけれど、探せない・読む時間がない」という悩みもよく聞きます。
そこでおススメなのが、AIチャットボットの活用です。

マニュアルや社内規程を学習させ「交通費はどの科目ですか?」「請求書の締日は?」とチャットで聞くと、すぐにAIが回答してくれる仕組みにすれば、マニュアルが読まれない・探せないという課題を解決できます。

マニュアル+チャットボットで質問とやり直しを減らせば、経理は本来の業務に集中でき、残業削減に直結します。

STEP3|DX・RPA・AIで業務量を削減し残業ゼロへ

次にDX・RPA・AIで残業の根本原因を減らす方法を解説します。

DX・RPA・AIが効きやすい経理の5つの定型業務

経理業務は定型作業が多く、DX・RPA・AIとの相性が良い分野です。特に効果が高いのは次の5つです。

1. 請求書受領〜支払処理

紙やPDFの請求書をAI-OCRで読み取り、RPAが会計システムに自動入力。承認フローをクラウド化すれば、出張中でもスマホから承認できます。

2. 入金消込

銀行明細と売掛金を自動照合し、入金消込作業を自動化します。人手で1件ずつ確認していた作業が、数秒で終わります。

3. 経費精算

スマホで領収書を撮影すれば、自動で金額・日付を読み取る仕組みを構築します。クラウド経費精算システムなら、申請〜承認〜会計連携まで一気通貫で処理できます。

4. 振込データ・FBデータ作成

支払データから振込用ファイルを自動生成します。インターネットバンキングと連携すれば、振込実行まで自動化も可能です。

5. マスタ更新・残高照合

取引先マスタの更新や勘定科目の残高照合など、ルールが明確な作業はRPAで自動化できます。

これらを自動化することで、経理担当者は分析や経営支援など、本来付加価値の高い業務に時間を使えるようになります。

ツール導入だけでは経理残業が減らない理由

ここで重要なのは、「システムを入れただけでは残業は減らない」という点です。
典型的な失敗が、「高価なシステムを入れたのに、現場は使わず従来のExcel運用のまま」というケースです。

失敗する理由は、現行フローやルールの整理をしないまま導入するからです。たとえば毎月100枚の紙の請求書が届く会社が、電子請求書システムを入れても、取引先が対応しなければ意味がありません。

ツール導入を成功させるには、現場の声を聞きながら運用設計を行うことが欠かせません。

中小企業が経理・バックオフィスの残業を減らした事例

不動産・物品賃貸業|勤怠の一元管理とRPAで長時間労働を是正

小山株式会社は、ワークライフバランスの実現と多様な人材の確保を目的に、長時間労働の是正や休暇取得促進に取り組んだ企業です。

出退勤の本社一括管理システムで所定外労働を「見える化」、テレワーク・時差出勤・連続5日休暇・評価制度見直しに加え、定型作業をRPAで自動化し5時間の作業を5分に短縮。

その結果、年休の平均取得日数は6.6日 → 10.5日、取得率は約38% → 約59%に向上し、生産性も改善しました。

小山株式会社の事例

航空業界|RPAの内製化で工数95%削減

大手航空会社のDXプロジェクトでは、業務効率化とデータ活用を目的に全社的な改革が進められており、筆者もその推進に携わりました。

RPAやBIツールの導入などDX推進の一環として、経理・バックオフィス領域ではRPAの導入・内製化支援を担当。現場担当者が自らロボットを開発・運用できる体制を整え、定型業務の自動化とデータの可視化を通じて、業務標準化と生産性向上に貢献しました。

結果として、未経験からRPAの開発に成功し、業務工数を95%削減することに成功しました。

「うちの経理業務はどこまで自動化できるのか知りたい」「RPAやAIに興味はあるが、どこから手を付ければいいか分からない」という場合は、まずは無料相談で現状を一緒に整理してみませんか?

御社の業務フローや体制をヒアリングし、「見える化で済むところ」「ルール・マニュアル整備で改善できるところ」「RPA・AIを使うと効果が出やすいところ」を切り分けたうえで、現実的なステップをご提案します。

大掛かりなシステム導入ありきではなく、小さく試して効果を確認しながら広げていく進め方を前提にお話ししますので、「相談したらそのまま高額ツール導入」という心配も不要です。ご希望の方は、下記のサービスページからお問い合わせください。

経理の残業削減でやりがちなNGと、うまく進めるコツ

笑顔の子羊
笑顔の子羊

経理の残業を減らす方法が理解できました!

Ueda
Ueda

最後に記事で触れた内容をまとめて復習しましょう。

NG① ノー残業デーだけ入れて、経理の業務量はそのまま

ノー残業デーを入れても、業務量やプロセスを変えなければ意味がありません。形骸化した施策の典型が、ノー残業デーに仕事を持ち帰ったり、翌日に残業がしわ寄せされたりするパターンです。

退社時刻だけを強制しても仕事量が変わらなければ、隠れ残業・サービス残業が増え、むしろ逆効果です。対策は必ず業務プロセスの見直しとセットで行う必要があります。

NG② サービス残業・持ち帰り残業で「残業時間」をごまかす

見かけ上の残業時間を減らすために、サービス残業や持ち帰り残業を黙認するのは最悪のパターンです。

労働法違反であるだけでなく、実態を隠すことで問題解決が遅れます。後から未払い残業代を請求されれば、多額の支払いと信頼失墜を招きます。

NG③ システム導入を現場任せにして「使われない経理DX」になる

高価なシステムを導入したのに、現場は使わず従来のExcel運用のまま…という失敗もよくあります。
原因は、使いやすさの検証や教育が不十分なことです。導入時には説明会や研修を行い、社員の不安を解消し、受け入れ体制を整える必要があります。

ツール導入は手段であり、使いこなして初めて効果が出る点を忘れてはいけません。

NG④ 経理の声を聞かずに、経営側だけで施策を決める

現場で残業削減を進めるには、実際に業務をしている経理担当者の意見が不可欠です。
経営側が「これで効率化できる」と考えても、現場では「使いにくい」と感じることは少なくありません。

経理担当者が一番困っている業務・時間がかかっている作業を直接ヒアリングし、現場目線で改善策を考えることが成功の鍵です。

成功させるための3つのコツ

コツ1 – 経理・現場・経営の三者で現状とゴールを共有する

残業削減は経理だけの問題ではありません。営業の提出遅れ、総務の承認遅延など、全社的な協力が必要です。「現状」と「ゴール(例: 20時退社を標準にする)」を三者で共有しましょう。

コツ2 – 小さな成功体験から始める

いきなり全業務を変えようとせず、一つの業務だけ改善し、成功体験を作ります。小さな成功が見えれば、次の改善へのモチベーションが生まれます。

コツ3 – 「経理残業削減=採用力・定着率アップ」として社内に伝える

残業削減はコスト削減だけでなく、人材確保と定着率向上にもつながる投資です。「働きやすい会社」は求人の応募が増え、既存社員の満足度も上がります。こうした経営メリットも社内に伝えましょう。

まとめ|経理が一番遅い会社から卒業しましょう

経理の残業が「きつい・多い・なくならない」背景には、5つの要因があります。

  • 人手不足と兼務体制
  • 書類提出の遅れ
  • 前倒ししにくい業務構造
  • 属人化
  • 紙・Excel・会計ソフトの混在

これを解決するロードマップが、「見える化 → 体制・ルール → DX・RPA・AI」の3ステップです。

業務棚卸しと繁忙カレンダーで現状を把握し、提出ルール徹底やマニュアル整備で運用改善を行い、最後にデジタル技術で定型業務を自動化する。この順番が、中小企業にとって現実的な進め方です。

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そんな不安を抱えている経営者・管理部長の方向けに、経理業務の自動化を支援するサービスもあります。

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Itsuki Ueda

RPAエンジニアとして、大手自動車メーカー、航空会社、保険会社など様々なプロジェクトに携わっております。中小企業の「人手でなんとか回している仕事」を見つけ出し、RPAやDXで“残業前提の働き方”からの脱却をサポートしています。現場ヒアリングから業務設計、ロボット開発、内製化支援まで一気通貫で伴走するスタイルです。 「まずは小さく試して、数字で効果を確認する」現実的なDXを提案します!

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